この物件はご成約いたしました。お問い合わせありがとうございました。
その家の歴史が幕を開けたのは、今から50年ほど前のこと。
かつて越前漆器の蒔絵の伝統工芸士が暮らし、そして作業を行っていた家です。
豊かな自然と深い緑に彩られた簡素な家。チョコレート色の外観は夏の日差しの下、しっくりと周囲の自然に溶け込んでいました。
自然を切り裂くことはせず、沿うように建てられた家。
そのためには家の向きが少し不揃いでもお構いなし。少々の敷地の高低差は、段々畑のように家の中に3段程の階段を付け床ごとあげて解決。
それは、我々人間が受ける自然からの施しに対する敬意。
そうやって、昭和44年に新築されてから、4年後に作業場と居住を新しく増やし、さらに昭和58年にまた増築。
家に絶えず新しい息吹を吹き込み続けました。
まるで3軒が肩を寄せ合うように立っている家。
中は、1階に和室だけで6間、洋室1間に水回りと2帖と3帖の作業場が1間づつ。
2階には比較的新しい洋室4間と和室1間に屋根裏収納。
わずか2~3畳ほどづつなのに2つに区切られた作業場。間取り図だけを見ると5帖1間にすれば良いのに、と思った素人の私にも蒔絵師という仕事を知ると
夏の暑い日の心地よいはずのそよ風にも気を使い、汗だくになりながら小さな作業場で1人もくもくと作業をすすめるにはちょうど良い広さということが分かりました。さながら、飛行機のコクピットのような必要十分な空間。
とにかく部屋数が多いこの家。
入り組んだ間取りは忍者のからくり屋敷のよう。
でも、よくよく見ると家の真ん中に家族が集まるキッチンと和室。
それを挟むように設けられた2か所の玄関と階段。
「家族」という共同体にあっての「個」のスペース。1人1人の、朝起きてから夜眠るまでの行動にお互い干渉しあわない関係が保たれる間取り。
なんて自由な家なんだろう。
それは、この家に蒔絵師の作業場という神聖な空間があったからだったのだろうかと、うすぼんやり思う。
この家は鯖江市河和田町にあります。
伝統的なしきたりと、クラフト、実験的な町づくりがきれいに融合している町で、今、県内でも珍しい都会からの移住者が増えている町です。
2世帯住宅や工房兼住宅、シェアハウスみたいな新しい使い方や、自分でDIYしながらの暮らしといった使い方も広がる面白い物件です。
家は「建てられたら完成」というものではない!ということを実証している家。
このあとの家の柔軟な進化、私たちも興味津々です。
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販売価格 | ____円 | 建物権利 | 所有権 |
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所在 | 鯖江市河和田町 | 構造 | 木造瓦葺き2階建 |
土地面積 | 799.68㎡(241.9坪) | 築年 | 昭和44年 |
地目 | 宅地、畑、山林 | 校区 | 河和田小学校、 東陽中学校 |
土地権利 | 所有権 | 駐車場 | 3台以上 |
建物面積 | 1F208.48㎡(63.06坪)
2F102.37㎡(30.96坪) 合計310.85㎡(94.02坪) |
備考 | 昭和48年・55年増築、畑・山林付き、オール電化、一部設備リフォーム済、上下水道引込済み、リノベーション・DIY、農地法5条許可必要 |
建物種類 | 居宅 | 取引の様態 | 仲介 |