大正12年から集落の一番高いところ、自然が作った波打つ山なりに建ち。
敷地の中には、もとは村の人たちの防火用水や子供たちの水遊び場として開放されていた笏谷石で組まれたため池と、
著名な作庭家の鑑定により江戸中期より古いと言われた歴史的にも仏教的にも価値のある庭。
紐解いていくと書ききれないほどの歴史のある古民家。
そんな古民家に、木のスペシャリストが自身の隠居処として大規模リノヴェーションを施したなら、
どんな化学変化がもたらされたのだろうか。

地積1912.95㎡(578.66坪)建物147.39㎡(44.58坪)大正12年築 木造瓦葺き平屋建て
今から15年前に、木工職人である現オーナーによって大改修が行われました。

広い土間玄関に入ると、正面には庭の緑を借景にする大きな窓のある床の間が出迎えてくれます。
入って右手には書斎にもゲストルームにもなる10帖の板の間。左手には27帖のLDKと浴室、10帖の板の間という2LDKの間取りです。

キッチン奥の、収納や簡単な流しも完備されたスペースを通った先には外にのびる渡り廊下。その先にはお月見台がありました。
お月見台から見上げた空には、家の屋根や電線など月を見るのを遮るものは何もありません。
時には、何十人ものご友人を招いてお月見会や蕎麦会を愉しまれたそう。
このお月見台によって庭と家とが一体となって、客人たちは緩やかに繋がった外と内とを行き来しながら遊ばれたのだろうと想像しました。

家の隅々に家主の感覚に響いた素材や作品がミックスされています。
木目や節などを生かし、適した場所を与えられた木材たちからは、作り手が木に愛情の念を持っていることが強く感じられます。
古き良きものと生活の美が混じりあって、それは見事です。
キッチンは主に栗材やタモ材が使われ、ステンレスのキッチンと、壁には銅板が貼られています。
漆喰の白壁と銅板の鈍い輝きのコントラスト。

家主自ら手掛けた建具や家具もあります。
リビングの中心にある大テーブルには、鉄板焼き用と大鍋用のガスコンロ、手軽なIHコンロが備え付けられています。
浴室は、檜材と特徴的な切り方が印象的だった笏谷石。
お話を伺った奥の10帖の板の間には、真ん中に囲炉裏がある掘りごたつのような大きなテーブル。
そのテーブルを囲んで、お庭を見ながらお茶を頂いた時間は、今自分がどの時代にいるのか錯覚するような不思議な時間でした。

その家の家主は、絵師、彫り物師、建具師、木工職人、匠、はたまた指物屋の二代目とも呼ばれた方です。
文部大臣賞をはじめ、数々の作品で大賞を受賞。そんな名声と同じくらい、里山の自然を愛する風流な人としても知られています。
野の花を挿し、骨董を愛し、蕎麦とお酒をたしなむ。
頑固な職人気質というよりは融通無徳でゆらりとした雰囲気。発せられる言葉は柔軟で柔らかく、それでいてどこか気障男。
最初の内覧でお会いした時の家主の印象です。
そんな家主が現役時代に集めつくした材料を投じて創り上げた遊び場。

物の作り手であるのに、古いものが好きだという家主。古いものにはかなわないと。
そんな家主に新たな命を吹き込まれた古民家は、今も使われながら良く育っています。手ずれた味を出しながら。

現代アートの用にも見える道具たちの収納様子と古材を活用した郵便受け。

化学変化は95歳のこの家で今も起こり続けています。
古く古く直していく。古いものは新しいものより新しい。
お問い合わせください。

販売価格 26,700,000円 建物権利 所有権
所在 越前市氷坂町 構造 木造瓦葺き平屋建て ※現況
土地面積 1912.95㎡(578.66坪) 築年 大正12年(築後95年)※固定資産台帳上
地目 宅地・ため池 校区 吉野小学校、 武生第一中学校
土地権利 所有権 駐車場 6台以上
建物面積 147.39㎡(44.58坪) 備考 木工職人の別荘、広い敷地、古民家、平成17-18年に減築・大規模リノヴェーションを実施(外装・内装一式・水周り全般)、檜・タモ・栗などの無垢材、笏谷石、お月見台、池、庭、別荘 ※土砂災害警戒区域・特別警戒区域内に敷地の一部が該当、洪水ハザードマップ上は想定区域外(計画規模・最大規模共)
建物種類 居宅 取引の様態 仲介

 

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